閉経時に起こる 女性のトラブル(尿もれ、かゆみ、性交痛)

 女性は年齢とともにホルモンバランスが変化し、体にも大きな影響を及ぼします。特に生殖器や生殖器周辺には変化が起こりますが、それらを総称してGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)と呼ばれています。

 GSMは2014年に国際女性機能学会と米国更年期学会で提唱されましたが、それまで日本では更年期の生殖器のトラブルは老人性膣炎と呼ばれていました。なかなか失礼なネーミングだと思いませんか。医学会においても、ようやく女性の生殖器やホルモンについても研究が進んできたのだと思います。

GMSの主な3つの症状

膣症状(かゆみ、におい)

 膣や生理用品などが匂うかもしれないという症状、膣やデリケートゾーンのかゆみ、オリモノが減ってくるといった症状があります。

性機能症状

 セックスで濡れにくくなった、痛くなった、感度が落ちた、オーガズムを感じなくなったといった性交渉時に感じる症状があります。

排尿症状

 いつもムズムズして尿意や残尿感がある。頻尿、尿漏れ、などの症状があります。

 閉経関連尿路生殖器症候群には代表的に以上の3つの症状があります。これらの症状があったとしても相談しにくい、誰に相談していいのかわからないといった場合があります。深刻な場合は数は少ないですが専門とする病院などへ相談する必要があります。また、日々の生活習慣やセルフケアなども重要です。

GMSの予防・改善

骨盤底筋群のトレーニング

 トイレでの排尿時に尿を止めるように力を入れてください。その際に使われる筋肉が骨盤底筋です。入力中に小指を入れてみて、締め付けられるかどうかをチェックしてみてもいいです。

 骨盤底筋を鍛えるためには、息を吐きながら尿を止めるように、膣を締め付けるように収縮させます。6秒〜8秒くらいを10セット、できれば1日に3セットくらいを行ってください。

保湿とマッサージ

 定期的に膣まわりの保湿とセルフマッサージなどで骨盤底の結構をよくすることで改善が期待できます。お風呂上がりのマッサージがおすすめです。女性ホルモンであるエストラジオール配合のオイルなどもあります。