2種類のタイ古式マッサージ

 タイ古式マッサージは日本でも定番のマッサージとなりました。でも、一括りにタイ古式マッサージと言ってもいくつかの種類があり、大きく分けると「チェンマイスタイル」と「ワットポースタイル」の2種類で、施術の内容やその成り立ちも違います。

ワットポースタイル(バンコクスタイル)

 ワット・ポーとはタイの首都バンコクにある王室寺院で、西暦1788年にラーマ1世により建てられました。バンコクで最大の寺院でもあり、東京ドーム2個分の面積があります。

 ワット・ポーは寺院でもあり、タイで最初の大学でもありました。ラーマ3世の時代に、医学部(タイ古式マッサージ)のようなものが設立され、医学やマッサージの知識が集められると共に、それを伝えていくこととなりました。

 現在でもワットポー寺院ではタイ古式マッサージを受講することができ、コロナ前では受講生の8割くらいがヨーロッパを中心とする外国人だったそうです。

 マッサージの特徴としては指圧が中心であることです。一定のリズムで筋肉の深くまで浸透させます。マッサージをしている方は、体重をかけながらですが、手で押して行きますので体や指に負担がかかります。

 なぜ、指圧のマッサージが中心になったかというと、昔はワット・ポー寺院では位の高い人に行うものであったので、体を密着させるような施術をよしとしなかったためだと考えられます。日本人は肩こりの人が多く、指圧が好きな人が多いので、日本人好みのマッサージかもしれません。

チェンマイスタイル

 チェンマイはタイの北東部にあるバンコクにつぐ第二の都市です。しかし、自然が残された環境でもあります。チェンマイスタイルは別名ランナー(北部)スタイルとも言われています。

 ワット・ポースタイルは宮廷のイメージですが、チェンマイスタイルは民間・農村といったイメージです。指だけではなく、足や肘など、体のあらゆる部分を使って施術を行います。

 二人で行うストレッチとも呼ばれるように、体全体を使ったダイナミックな動きがあり、施術者も施術することによって体が軽くなっていきます。私の個人的な意見としては、チェンマイスタイルの方が、施術を受けるのも施術を行うのも好きです。

 施術の中には、足で踏んだり、体全体で乗っかったりするものもありますので、確かに位の高い人に行うのには失礼かもしれません。

 NAGAでメインで行っている「カルサイネイザン」もチェンマイに古くから伝わる内蔵や生殖器へのマッサージになります。タイ古式では、疲れた筋肉などをほぐすものですが、内蔵や循環系が整うとまた違った気持ちよさを感じることができます。

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