膣は石鹸で洗ったら ダメ絶対!
「膣ケア」「フェムケア」という言葉も聞かれるようになる中で、逆に膀胱炎やオリモノの匂いなど、膣のトラブルが増えています。その原因は洗いすぎにあるかもしれません。
膣は自分でバリアを張っている
膣は少し酸っぱい匂いがするのですが、これは正常です。化学などで習ったPH(ペーハー)という数値がありますが7が中性、値が小さくなれば酸性、大きくなればアルカリ性となります。
膣の中は4〜5程度で弱酸性です。膣内には6種類の常在菌が活動していると言われていますが、その中の乳酸桿菌が膣上皮のグリコーゲンを乳酸に変えることによって膣内を酸性に保っています。
酸性に保つことによって、性交渉時の挿入でペニスに付着している菌や、知らない間に陰部に付着してしまう大腸菌などの増殖を防ぐ作用をしています。膣にはこのような自浄作用・バリアがあります。
洗いすぎでバリアがとれてしまう
せっかく膣内に築かれたバリアですが、洗いすぎることによってバリアが剥がれてしまいます。特にやってはいけないのが石鹸で洗うことです。多くの石鹸は弱アルカリ性です。アルカリ性の石鹸で膣の中を洗ってしまうと、弱酸性だった膣内が中和されてしまい、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
これによって菌が繁殖すると、かゆみがでたり、匂いが気になったりしてしまいます。気になるから、また洗う、それによって悪循環が起こってしまいます。健康的な膣であれば、段々と弱酸性に戻す力がありますが、常在菌が失われてしまうと大きなトラブルへと繋がります。
正しい膣の洗い方
①デリケートゾーンは人肌程度(熱くない)お湯で洗い流します。熱すぎると皮膚の油分である皮脂が洗い流されてしまい、乾燥を招いてしまいます。
②デリケートゾーン専用の石鹸を使う。デリケートゾーン専用の石鹸は弱酸性のため、膣内に入ったとしても中和が起こりません。膣周辺は皮膚が弱いため、タオルを使わずに中指と人差し指を使って、ひだに溜まっている汚れを落とします。膣の中は洗う必要はありません。
③ぬるま湯で流す。石鹸の成分が残っていると、体によくありませんし、匂いの原因にもなります。人肌程度のぬるま湯で丁寧に洗い流します。ひだの隙間も丁寧に洗い流します。
予防のために
膣の匂いやオリモノの匂いが強い場合は性病の可能性があります。気になる方は医師に相談してください。
自分でも予防をすることもできます。それは、健康的な生活をすることです。膣のトラブルは体の免疫力の低下や、ホルモンバランスの崩れによるものが多くあります。ゆっくりとお風呂に入って、ぐっすり眠ることが予防になります。お風呂上がりにセルフでのマッサージも有効です。