【疲労のサイン】男性の下痢・女性の便秘

便の不調は身体からのSOSです

便の調子は消化機能の不調や疲労のサインです。健康のバロメーターとも言われていますね。

一般的には男性には下痢がおおく、女性には便秘がおおい傾向があります。

その理由は性ホルモンの影響やそれぞれの身体のつくりによるものです。

下痢と便秘の仕組み

下痢も便秘も大腸の働きが悪くなることで起こります。慢性的に続くようでしたら何かの病気を疑いましょう。

下痢

下痢は、大腸の機能が悪くなったり、便の通過が早まったりすると水分をうまく吸収できず、水分量が90%以上の便が出ることです。

便秘

便秘は、大腸の働きが鈍ることで便の通過速度が遅れて水分が吸収されすぎて固くなります。便が3日以上出ない、もしくは便が固くて出てこないなどの症状が続きます。

それ…隠れた病気かも…

過敏性腸症候群(IBS

腸に腫瘍や炎症などの異常がないのに、下痢や便秘などの症状が数ヶ月以上続く。

潰瘍性大腸炎・クローン病

大腸の粘膜に炎症が起こったり、潰瘍ができたりする難病。

大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)

腸壁にくぼみが出来る状態の事で、便が正常に通過出来なくなる。

下痢のタイプや原因

下痢は原因によって3つのタイプがあります。

分泌性下痢

細菌に感染したり、食べ物によるアレルギー反応が起きる時に粘膜からの分泌液が過剰になるために起こる下痢。

浸透圧性下痢

薬やサプリメントなど、腸内に浸透圧をあげる成分があると水分がうまく吸収されず、起こる下痢。

(コーラックなど酸化マグネシウムの下剤は浸透圧性下剤です)

運動亢進性下痢

ストレスや冷え、暴飲暴食などで自立神経が乱れると便の通過が早くなります。そうすると、水分の吸収が追いつかずに下痢になります。

男性に下痢が多い理由とは?

ストレス等で腸に痛みや刺激があると痛みを緩和しようとして、脳から神経伝達物質がでます。2020年に岐阜大学の研究結果で、その物質は女性の場合は大腸のぜんどう運動(便を先に押し出していく動き)を抑えるものであるであるのに対して、男性の場合はぜんどう運動を促すものである事が分かりました。

そのため、男性の方が下痢がおおく、女性の方が便秘がおおいという事になります。

便秘が女性に多い理由とは?

先程説明したとおり、ストレス等で体質的にも便秘になりやすいと言えます。他にも女性ホルモンや筋肉の弱さ、婦人病なども便秘に繋がります。

原因①女性ホルモン

黄体ホルモンには腸のぜんどう運動の働きを抑える働きがあります。そのため黄体期は便秘になりやすいといえます。

原因②妊娠中

黄体ホルモンが常に分泌されるうえに、子宮が大きくなって腸を圧迫するため便秘になりやすいといえます。

原因③腹筋が弱い

便を押し出す腸のぜんどう運動や排便時のいきみ等にも、腹筋の力が必要です。この力が弱い事も原因の1つです。

便秘の種類

器質性便秘

ガンや炎症などの腸の病気によっておこる便秘。

症候性便秘

糖尿病や脳卒中が原因で、腸自体に原因が無い場合の便秘。

薬剤性便秘

薬などの副作用にて起こる便秘。

機能性便秘

①弛緩性(しかんせい)便秘

大腸のぜんどう運動が低下し便が出にくくなるもの。割合としてはこの弛緩性がもっともおおく、特に高齢者に多いとされています。

②痙攣性便秘

ストレスが原因で、大腸のぜんどう運動が強くなりすぎるために起こる。下痢と便秘を繰り返すのが特徴。

③直腸性便秘

排便を我慢したり浣腸刺激を繰り返したりすると、直腸から脳への神経伝達が鈍くなり、便意が起こらなくなってしまうものです。

理想の便はバナナ便

便は健康のバロメーター。健康的な便のポイントをご紹介しますね。

①硬さ…練り歯みがきのようになめらかで軟らかい

②におい…便臭はあるがきつい悪臭ではない。

③色…黄土色~茶色

④形…バナナ状、またはとぐろを巻く

⑤量…バナナ1本~2本程度

⑥重さ…トイレの水に浮く

是非ご自身の便を1度チェックしてみてくださいね。